本記事は、世界20か国でベストセラー入りした、ドイツの皮膚科医であるヤエル・アドラー著の「皮膚の秘密」より大事と思った部分を自分なりに解釈して、一部拝借して記載したものです。

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皮膚常在菌の話

皮膚に菌・・・
って言われるとギャー――ってなるでしょうか?
特にこのご時世(菌とウィルスという全く違うものを同じに考えている人も多く)、皮膚に菌がいるって言うだけで過剰反応されそうですが、ちょっと待ってください。
腸内には菌が一杯いて、それを増やすためにみんな(効果があるかは不明ですが)ヨーグルト食べたりしてるじゃないですか!ヴィフィズス菌カプセル飲んだりしてるじゃないですか(効果があるかは・・略)

古来より私たちの体はたくさんの菌に守られてきています。人の9割が細菌という本もあるくらい菌と共生して生きています。むしろ人は菌によってつくられているといっても過言ではないくらいだと思っています

それは肌も同じこと。最近の研究によると皮膚の微生物叢の機能の方が腸のそれよりも勝っていることが明らかになりつつあるそうなんです。

皮膚に暮らす微生物は1平方センチメートルあたり何百万個に及んでいます。皮膚にある細胞の25%だけが人間の細胞で、残り75%は微生物の細胞なのです。
私たちの皮膚は、長期・短期滞在する微生物に宿を提供し、微生物はお礼として門番をし、有害な菌が皮膚に侵入しすぎないように見張りをします。また微生物叢は有害な侵入者を退治するための抗生物質のような成分まで生成してくれるのです
(略)

健全な酸性の保護膜は微生物に最適な環境を提供しています。過剰な衛生環境、過度のスキンケア、薬剤、衣類、予防注射、除菌剤、抗生物質、不健康な食事などなど、最近の暮らしの基本には微生物叢の生活基盤が脅かされるものばかりです。

洗いすぎると、こう言った微生物を死滅させ、次回も暮らしにくい状況を作り出しているようなものです。こまめな手洗いもいいですが、一方で手の宇宙を別の側面から見る事も大事なのではないでしょうか?

洗いすぎると体臭になる?

体の微生物が大事とはいうものの、そのバランスが崩れやすいところがあります。湿っていてい、温かく、薄暗い場所。
それが、シワや脂肪が重なった場所、わきや肛門、生殖器周辺などです。

しかし、だからと言って洗いすぎると酸性のバリアがはがれ汗腺やアポクリン腺の分泌物を食べる悪玉菌(悪玉善玉の区別は実はないのですが便宜的にこう記します)が繁殖します。その副産物が、あの体臭なのです!

だから洗い過ぎ注意なのです。

皮膚は最大のバリア

もちろん皮膚を洗いすぎない方がいいという理由は体臭だけではありません。
皮膚の最大の仕事は外敵から身を守ること」
にあります。
皮膚は大きく分けて4つの構造から成り立っています。
下から
①基底層 ②有棘層 ③顆粒層 ④角質層
です。ここで聴き馴染みあるのが角質層くらいかもしれませんが、もともとは角質層は基底層から変化してできたものなんです。
①が②になり、③を経て④になるまでのサイクルが約4週間。
ターンオーバーのサイクルはここにあるのです。

角質層は細胞膜が無くなった状態ですので、細胞としては死んだ状態ともいえるかもしれません。
しかし、この状態がとても肌には重要。角質層はとてもかたく頑丈なのです。その角質細胞を細胞間物質で細胞と細胞の隙間を埋めて異物が侵入してこないようにしているんです。

いわば角質細胞がレンガ、細胞間物質がモルタルのような役割といえば想像ができるでしょうか?

肌ケアでモルタルとレンガを壊す?

しかし、過剰で強い洗浄剤で、せっかく作ってくれた皮脂膜(レンガとモルタル)を洗い流し、皮膚が4週間かけて作ったバリアを破壊しているのが現状多くみられます。
さらに肌をケアするために保湿クリームなどをぬりますが、これは弱った皮膚に、香料・合成着色料・乳化剤・防腐剤などのアレルゲンを塗りこんでいるともいえます。


「高純度セラミド配合」の保湿クリーム使っているから安心?・・・皮膚のバリアを再現できたものは一切ありません。見たくないかもしれませんが、今一度お手持ちのコスメを見てみてほしいです。

そもそも、保湿自体も本来は必要ないものなのです。肌が健康であれば勝手に体の中から保湿成分がでてきてくれるはずです。

化学業界はいったい何をしているのでしょうか。日々危険な製品を世に送り出し、その害を埋め合わせるように新製品をどんどんかいはつしています。残念なことに世間では、洗顔後に化粧水をつけて肌を整えるのが常識とされています。(略)「化粧水を使った後は油性の保湿クリームをぬりましょう」などというのもあり得ません。
化粧品メーカーがすすめるスキンケアは皮膚に対する攻撃です。皮膚が全く健康な人であっても、そのようなスキンケアをすると皮膚が乾燥したり、かゆみが生じたり、時には接触皮膚炎を発症します。私たちが皮膚に対してやっていることは過失傷害に近いものなのです!
皮膚が薄い角質層を再生するには4週間を要します。角質層は皮膚のバリア機能のすべてを担っています。それなのに私たちはいったい何をしているのでしょう。

と、少し強い言葉で書かれている本文ですが、納得せざるを得ない内容でした。
バリアがはがれて体臭が出る程度だったら(いやだけど)まだいいのですが、健康に美容に気を付けているつもりが、実は肌を痛め、自ら回復できない弱い身体をつくっているとしたら、病気を誘発しているとしたら・・・

今一度肌の宇宙を想像してみたいと思います。

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