私たちの養蚕場では生の繭を作っています。
そうすることで、絹の力を最大限発揮するだけでなく、命を繋げる交配もできてきます。
また土には余計な栄養分を与えることなく、自然の力でサポートすることで桑を作っています。

1 土と桑

桑作りにおいて、特に重要視しているのは、「綺麗な大地のままでいる」ということ。
そのため農薬、肥料(有機・化学とも)、抗生物質などの薬を使っていない土地を探し桑園を作りました。
その後の桑園作りにおいても、自社農園の無農薬米の稲穂を利用するなど、自然の力を信じ薬に頼らない土作りを行っています。

2 稚蚕飼育

稚蚕とは全5令のうち、お蚕さんが1令〜3令という幼少期の飼育のこと。稚蚕飼育は養蚕の中でも湿度や温度など最も繊細な飼育が求められる段階。体ができていないことから病気にもかかりやすい時期のため、清潔な環境作りを実施しています。
現在の養蚕は安定した飼育のため人工飼料が多く用いられますが、ラオス養蚕場では生葉での飼育に取り組んでいます。

3 壮蚕飼育

壮蚕飼育とは稚蚕飼育を終えた4〜5令の飼育のこと。最も桑をよく食べる時期。ラオス養蚕場は高度500〜600mほどの高地にあり、自然の風がとても気持ちいい所にあります。稚蚕と違い湿気を嫌う時期のため、自然の風を十分に取り入れるよう換気に気をつけた飼育を心がけています。

4 切繭作り

壮蚕同様に高地の心地よい風をいっぱいに浴びて作られる繭は、蛹が中で生きている内に切り繭にしています。そうすることで、生のままの繭を綺麗に保つことができます。また、蛹を羽化させ採卵するなど命を大切に頂くことができます。

5 命の継承

切り繭から蛹を取り出し、羽化・交配させることで命を繋いでいます。養蚕農家では通常行われない交配ですが、特殊技術を用い自社で蚕種を管理することで、他ではできない命の養蚕を実施しています。交配に使用されない蛹も現地の人の貴重なタンパク源となるなど、命を大事にいただいています。