【シルクを知ろう①】シルクってなんなの?

そもそもシルクってなんやねん!?
って人も多くなっているでしょうから、まずはシルクって何か?
改めて紹介します。
平たく言うと・・・

お蚕さんの吐いた糸をまとめたものがシルク

え?
お蚕さんってなに?って?

ん~確かに。
あまりにも身近じゃなくなりましたからね。
めっちゃ簡単に言ってしまうと、お蚕さんは蛾の幼虫。
写真で見ると

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こんな感じのモスラを彷彿させるような芋虫
それがお蚕さん。

私がお蚕さんっていうと、
「”さん”づけなんや」
と驚かれることもありますが、昔からお蚕様とかお蚕さんとか、親しみと敬意をこめて蚕にはさんをつけているんです。

まぁ芋虫や蛾といっても、5000年も人に飼われ続けているのですっかり自然界には存在しない生き物となっています。

といいつつ自然界にいるお蚕さんもいるんですけどね。
...
...どっちやねん!

いえいえ、正確には「お蚕さん」は自然界にいない蚕の総称ではあるんです。ですが、自然界にいる野生の繭を作る蚕もいて、それらは総称して「野蚕(やさん)」と呼ばれます。糸もとれるのですが、基本的には皆さんが見るシルクには使われてません。いわゆるシルクと言われるのはこのお蚕さんで、野蚕に対し「家蚕(かさん)」と区別することもあります。まぁ通常とくに記載がない場合は、お蚕さんや繭、シルクといえばこの家蚕が作る糸や繭、生地のことを言います。

...っと話がそれました。
こんな話をし始めるとドンドン深みに入っていきそうですのでその際は注意してください。

さて話を戻しましょう。
この、お蚕さんが食べるのが桑の葉っぱ。
桑の葉を一杯食べてどんどん成長します。成長しきったら成虫になり卵を残す準備に入りますが、成虫になる前の準備段階に作られるものがあります。そう、それが繭なのです。

芋虫:お蚕さん(桑をバクバクたべる)
⇒ 蛹(全く動けない状態)
⇒ 成虫:蚕蛾(交配して卵を産む)

と、このようにお蚕さんから蚕蛾(芋虫から成虫)になる途中の「蛹」の無防備な状態を守るための家、それが「繭」と言われるシルクの塊のようなものです。

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お蚕さんにも品種があり(というよりめちゃくちゃ色々あります)大きいのから小さいの、色のついたものまで様々。

という事で、このの中にはもちろん・・・

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が入って羽化を待っています。

この蛹が羽化して蚕蛾になり、交配して卵を産むっていうプロセスなのですが、今日はシルクについてなので割愛しましょう。・・・あ、割愛って言葉も実は養蚕用語なのですが、その辺はまた後日。

繭から糸(シルク)へ

さて、繭ができてきました。ここから糸をとるとシルクになるんです。・・・が、シルクの糸となるにはそう簡単ではありません。

工業化されたシルク作りでは想像がつきにくいと思うので、タイの手作りのシルクを見ながら解説したいと思います。(繭が黄色いのはそういう品種だからです)

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お蚕さんは糸を吐くときに同時にノリ状のタンパク質(セリシン)を周りにコーティングして吐いていきます。
そのため繭は固くて糸をひこうにも全然引けません。

なのでお湯で煮て繭を柔らかくしてからひいていきます。この時、同時に何粒かの繭から糸を同時に引き出していくんです。

お蚕さんの吐いた糸一本一本がシルクの糸だと思う人もいるかもしれませんが、お蚕さんが出した糸一本一本は0.5~2㎛と毛穴より細い糸なので一本では糸にならないんです。
そこでまとめて何本かを合わせてひいていきます。

日本だと7本(7粒)で操糸(そうし)したものをさらに巻き返しといって、もう一度逆から巻き直してシルクの糸の第一段階が完成。これがいわゆる生糸(きいと)と呼ばれるものです。

ちなみに糸の漢字の成り立ちは、この繭から何本か糸が上にひかれている様子から来ていると言われています。

しかし、まだまだ7本ではとっても細いんです。デニールでいうとおおよそ21デニール。絹糸の場合はデニールではなく21中(なか)という単位で呼ばれていますが、この辺の詳しい話は誰も興味ないだろうから、やめておきましょう(笑)
で、これをさらに6本とか8本とかより合わせてやっと初めて皆さんが見るシルクの糸となるわけです。(この本数はどのくらい太い糸を作るかによって変わります)

あ、糸でも見たことが無いかもしれませんね。
この糸を染めて織る(先染め)か織って染めたもの(後染め)がいわゆるシルク生地となるわけです

ということで、ざっとシルクができるまでを説明しましたが、なんとなくわかってもらえたでしょうか?
ちなみに養蚕業とは
お蚕さんを飼い、繭にするまで
を言います。
糸はまた別に糸やさんがひくのが通常ですね。
さらに、ほとんどすべての養蚕農家さんは、自分で卵を作りません。
これは過去に国の政策で自家採種(採卵)を禁止したから。
種はまた別途「種やさん」があってそこで交配しています。

・・・あ、気が付いたらシルクのことというよりシルクができるまでみたいな記事になってました(笑)

次回はもっとシルク繊維のことなんかも書いてみたいと思います。

・・・・

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