アリを使って食糧確保!南ラオスの昆虫採集

カンカンカン!

朝の6時
日がようやく登ろうとしているその時に、
何かをたたく音がする。

何の音だ?

と玄関のドアを開ける。

そこには農場一のハンター、トォさんがたっていた。
叩いていたのはすぐそこに生っている木。
叩き終わるとバナナの葉っぱをくるっと回転させ、その木に近づけた。

樹液でもとってるの!?

と思った私はそれで何をするのか気になり、すぐさま部屋に戻り携帯を持ち出した。

携帯カメラ片手に近寄る私に笑いながらトォさんが話しかける。

「アリだよアリ、一杯いるでしょ?」

あ、アリ!?
そういえば以前もアリを頂いたので、確かにアリを収穫することもあるのか。

私「ギンボ?(食べるん?)」
トォ「ボーギン(食べへん)」

と、とっても短い言葉のやりとりを意味もなく関西弁に翻訳しながら判明した事はこのアリは食べないアリということ。

言われてみれば以前いただいたアリ(おそらくツムギアリだと思われる)とは違う姿をしている。それに樹皮をめくってその中に生息しているらしいので、葉っぱに巣を作るツムギアリとは生体が違いそうだ。

そんなことを考えていると続けざまに

「チェローにあげるんだ」

と言うトォさん。

チェロー・・・なんか聞いた覚えあるんだけれど思い出せない。
あげるというと、何かの餌かな?と思ってしまうが、このニュアンスにはあげて頂くというニュアンスを感じ取る。
つまり、餌でおびき寄せてチェローをハントする気だ。

ん~チェローが思い出せない。

と、十分なアリを確保したトォさんがついてこいという。
どうやらチェローをハントする瞬間に巡り合えそうだ。

少し離れたところまで歩いていくと、

「ほら、ここ」

というがそこには何もない。
・・・
あ、ほんの少し土がモコッとなってる!と、確認するかしないかの瞬間、ナタをいれるトォさん。

ザッザッと数回ナタを入れると、そこに空洞があらわれた。
どうやらチェローの巣穴らしい。
流れるような作業でアリを入れるトォさん。

後は待つだけらしい・・・

待つだけ!?
ラオスで待つだけは危険だ。
時間の流れが違うから、待つだけが30分の時もあるし、半日の時も1日の時だってあり得る。しかも待ったから成果を得れるかは不明なのだ。

そして成果を得れなくても問題ないってのが彼らのマインドにあるから、ラオスの「待つ」は、いつかとれればいいやぁくらいに考えておいた方がいいのである。

さぁどうしたものか?と思案をよそにトォさんが

「ほら、音するでしょ?でてくるよ」

と言う。たしかにボッボッと何やら音が穴から聞こえてくる。
音が足音に変わったとたん姿が見えた。

お、オケラだ!

これまたぷくぷくと太ったなんとも美味しそうなオケラじゃないですか。
今回のハントは大成功!ものの数秒でオケラゲットです!

そういえば以前オケラを食べたときに確かにアリで釣ると言っていた。それにしてもこんな感じだったんですね。初めてのオケラアリハント体験に朝から満足。

それにしてもアリも食料を探す一つの材料にできる、彼らの逞しさをまた一つ垣間見ました。

一杯とって余ったアリは・・・・という竹筒に入れて持ち帰りました。自分の土地でもオケラをとるんだそう。ところで、オケラでおなかを満たすのは一体どれくらい捕まえる必要があるんでしょうか?気の遠くなる話のような気がします。

というより、そもそも巣を見つけれない私にとっては1匹捕まえればいい方でしょう。ということで今日は、手法はわかっても中々真似できないオケラの狩猟方法の紹介でした。
もっと詳しく知りたい方は下記動画をごらんください。

 

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