と、このようなタイトルを書きながら私はすでに若干の違和感を覚えている。
「育てる」というワードがラオスにいると若干違って感じるのだ。
私たち日本人はどうしてもより美味しくなるように多分に手を加え、毎日愛情を与え、非常に丁寧に野菜を育てている。この場合はきっと「育てる」というワードはしっくり来るだろう。
しかし、ラオスの人たちからみると、この農法はきっと過保護に見えるだろう。そして毎日毎日自分の時間を野菜に費やすことは不思議に思うかもしれない。
「そこまでしなくても勝手に育ってくれるのに」
ときっと思うだろう。
それは考え方の違いが大きいように思う。この村の人たちは自分も自然の一つとして、植物の種を植えている。それはまるで蜂が蜜をもらう代わりに受粉を手伝うかのような動きだ。
まさに自然の循環の中に自分も入っているのだ。そしてそれが最も効率的で最大限の効果を”持続的に”得れることを体で知っている。
日本の農業は確かに優れていると思う。
しかしこと自然の摂理の中で生きることに関しては、この村に軍配が上がるだろう。
原産地であるバナナものその一つ
ラオスでそのような育て方ができる代表の一つがバナナ。
それもそのはず。ラオスはなんとバナナの原産地であるらしい!
だから雨期に植えるだけでバナナは育つ。以前の記事にも書いたけど、
カットして掘り起こして、植えるだけ。
これは5月末の様子。それが半年後の昨日の映像のように豊かに育ち早くも実をつけているのだ。こちらが昨日投稿したのと同じ映像。
そこには肥料も農薬も除草剤も存在しない。
ただ雨期の前に植えただけ。
2週間もすればニョキッと新しい芽ができてくる
この際注意したいのが、植える間隔。
現地の人は決して密植しない。密植するには薬が必要だからだ。
植える間隔はだいたい5m〜10m。岩が多いところだと15mと離して植えることもある。
自然栽培・バナナの収穫・そしてお手入れ方法は?
さて、もちろんそのまま放置していてもバナナは育つ。育ちすぎるくらいよく育つ。
だけど少しだけ人間がより良いバナナを食べるために手を加えることがある。動画にしたので少し見て欲しい。
収穫の時の映像にその秘密が隠されていた。
見事なバナナがなっていますね。
それを採ったあと、何をするかというと、切り倒してしまいます。
バナナは実を一度つけると同じ株はもう実をつけません。代わりに1本につき3本くらい子供を作っていくのです。
そして、そのいらなくなった株が残るとまだ土の栄養がそちらにも取られてしまうので子供の育ちが悪くなります。
なので収穫した後の親株はカット。
で、カットした親株をどうするかというと、そのまま子供の周りに置いていくのです。
こうすることで、土が豊かになってより美味しいバナナが育つということでした。
もちろん表土を見せないことで、地温が上がるのを防ぎ、保湿性をあげることもその理由でしょう。しかしそれだけでないバナナの葉っぱについた抗菌作用や、たくさんの微生物が土になんらかの影響を与えてるのではないか?そう思えます。
ともあれ、これは微生物なんて言葉が出来るずっと以前から取られている民間の知恵。やっぱり大事なことがいっぱい詰まってますね。
そんなわけでラオスのバナナは自然のリズムの中で私たち人間も共生関係とし育っているのでした。
温室で肥料いっぱい過保護に育ったバナナもいいですが、個人的には厳しい環境の中、自然の循環の中で豊かに育ったバナナを取り入れて行きたいと思います。
そんな力強いバナナを日本の皆様にも届けれるように、私たちの出来ること今後もやって行きます。
ではでは本日はバナナを収穫した時のお話でした。