少なくなりつつある草葺の屋根
ラオスの伝統的な建築では屋根はやっぱり草葺。
北のほうでは木の皮を利用したりもするらしいですが、この辺りは、草葺の家が主流でした。
みんなの農場にある休憩小屋もやっぱり草葺。
ところが、今徐々にというか急速にその数を減らしています。
減少する理由
減少の理由の一番はやっぱりスレートの屋根のほうが楽で長持ちだからでしょう。
草葺の場合3年くらいで葺き替えをしたほうがいいのですが、スレートでしたら5〜10年くらい持つんじゃないかと思います。(劣化してもそのまま使えばもっと持つかもしれません)
新しい家はみんなスレート。
(ひょっとして現地の人にとって、スレートのほうが新しくてかっこいいなんて気持ちも若干あるかもしれませんが。)
もう一つの理由は屋根材を作る手作業と工賃のバランスの悪さ。
屋根材料を作るのも一苦労。だけど1枚50円くらい。
今回の4m×6mに庇をつけても2万円しない。
草を用意するので、その土地も他の農作物を作れなくなる。(まぁ雑草なんで手入れする必要は無く農場の手入れに関しては楽ではあります)
草葺を作っていた村はキャッサバ畑に
そんなわけで、草葺屋根の材料を作っていた村は、今年は全て草を刈ってしまいキャッサバ畑に変わってしまいました。
それが1つの村だけでなく他の村も。
とっても残念だけど、時代の流れで仕方ないのかもしれません。
でも、土地にあったせっかくいいものだから少しでも残ってほしいものです。
草葺の利点
そんな大変な草葺を蚕室に利用した理由は、やはり涼しさ。
これは自分で体感して確信したのですが、かなり涼しいです。
他のスレート屋根はどれも熱をもってしまって、熱波がずーっとやってくる感じがします。
室内も熱気がこもってしまいます。
ところが草葺はそれが全くありません。
やっぱり元々その土地にあったものは、野菜も建築も土地にあっているんですね。
そんなわけで、草葺を利用した蚕室に屋根がつき、いよいよ外構を残すのみとなりました
情景にも馴染んでくれてかなりいい感じです。
完成まであと2〜3日。
その後は棚や蚕座など細かな道具を作っていきたいと思います。
コメントを投稿するにはログインしてください。