900平米の更地に食べる森はできるか?実験開始します

ラオス農場の実験はいよいよ次のステージに移ります。

これまでウォン先生やスタッフから色々自然の恵みをいただく中で、ラオスに適したものや考え方が少しづつわかってきました。
彼から頂くもののほとんどどれもが市場で売られるものよりしっかりとした味があります。
その根本はどこなのでしょう?

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(写真:何でこんなところに?というところに見つけたパッションフルーツの茎)

それはきっと自然にあるものを採ってきているだけだから。

なるほど。人間も自然の一部だから当然と言えば当然だけど、なるべく自然に近づけた方が、体にいいものができるのか。
ということで、彼の知恵を借りながら、農場にある900平米(30m x 30m)の土地に森が作れるか?この雨期から実験スタートです。

土地の現状は?

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場所は昨年陸稲のもち米を作った土地。
今年はどうしようかな〜」とずっと考えていた土地。

これだけ土が見えていて日陰もないとなると、土は保水できないし、農作物は育ちにくい。しかも水をまけるわけでもないですし。
雨期は粘るし乾季はクワも通らないほどカチカチになる土。

しかし土が全くダメなのか?といえばそんなわけでもなく、
土の中には日本には比べ物にならないくらい多様の微生物が確認できたのです。乾季はゆっくり休んでるのかな?
私の力なんて微弱中の微弱なんですから、これは彼らに働いてもらうしかないでしょう。

こんな森1 色々なものが収穫できる森

ただ単に自然に任せて放置した森を作るのではなく、理想はいわば「食べれる森
しかも果物一種とかではなく、まるでウォンさんがどっかから食べ物を持ってくるように、今日はマンゴー、今日はパッションフルーツ、今日はナス、今日はトマト、今日はバナナ、今日は・・・・

といった多様な品種が入り乱れた食べれる森。もちろん食べれる雑草も入り乱れてもらいます。(入ってもらいたくなくてもきっと勝手に入ってくるでしょうけど・・・)

こんな森2 ほとんど自然の力で循環できる森

自然はとっても複雑に多様でできている。
高い木、低い木、多年草、一年草、蔦などが入り乱れて、そこに虫や鳥も入って生態系を整えている。
それぞれがバランスをとり、共生しながらそれだけで循環できるのが理想の状態。
人も時々手を入れますが、彼らと等しく役割を担う共生関係であるといいなと思っています。

(かっこいいことを言ってますが、ただ農家さんのように日々お世話できないので、虫や微生物、鳥たちに働いてもらおうというわけです。)

思いに至った少しシリアスな理由

世界の砂漠化はラオスも目の前?

理想ばかり書いてきましたが、少しシリアスな話も
南ラオスの農園の周りは、キャッサバ畑がいっぱい。
いっぱいだなぁというだけだったらそこまで深刻でなかったのですが、畑の面積の広がるスピードが異常なんです。
もともとあった山や森は焼かれ、耕され、キャッサバ畑にすごいスピードで変わっています。特にここ1〜2年はすごいスピード。
これはきっと世界中で起こっている現象ですが、目の当たりにすると実感がわき、考えさせられます。

詳しい話は割愛しますが、表土が見えると砂漠化に拍車がかかります。土を耕すと砂漠化が加速します。
こんなことを繰り返してたら、せっかくの豊かな生態系は数年で崩れ、キャッサバさえ育たない環境になってしまうかもしれません。
消費社会の犠牲が消費しない人たちに降りかかるとは何ともやるせません。

彼らにも生活がありますから、辞めろなんて無責任なことは言えません。
だったら、豊かな生態系の元、もっとお金になる手法を考えればいいだけです。

とは言え私たちの小さな力では大きなことは言えませんので、
まずはこの900平米の小さな土地からスタートします。
やらなきゃ始まりません。
でも、もし気に入ってくれればスタッフの土地でも来年はやってもらえるといいなぁ。

これから1年かけてあの禿げた土地がどう変わるのか、不安と期待で久しぶりのワクワク状態です。

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