木は水をもって乾燥させる

ある日突然「」が必要になった。

なぜ突然?
って思うかもしれないが、実はこれ次のプロジェクトの一環。

次のプロジェクトとは・・・

ラオスから帰ってきてから(時々行くけど)基本は日本。
すると、やはり暮らしは変わるわけで。
どちらがいいという訳ではないけれど、圧倒的に日本の方が自然と触れる機会は少ないと感じる。

そんな中、日本でもラオスにいた時のような自然感を少しでも感じたいと思った私たちは、淡路島でそんな拠点つくりをスタートし始めたわけだ。(いやまだ始まったと言うかスタート地点というかだけれど・・・)

で、空想ばかりしていても仕方がないから、具体的に進めるにあたって設計もちょっとづつ始めると、その中に「火」も欲しいという話になった。

火の音、火の揺らぎ、火の暖かさ
火は(安全に使えば)かなりストレスの緩和に役に立つように思う。

火によるリラックス効果や安眠についてはいくらも研究はされている
そして、何より経験が物語っている

小さいころ正月に神社で火を焚いているのをずっと眺めていたことを思い出す。パチパチっという音に立ち上る火の粉を眺めているだけでぼんやり時間が過ぎる。
あの寒空の下、ずっとそこに滞在できたのは、「火」の力だろう。
これがきっと石油ストーブでは用事を済ませすぐ帰ろうとなっていたはずだ。

さて、話がそれてしまったが、そんなわけでストレスの無い暮らしには「」は一つのエッセンスとなると考えたわけだ。

そして必然的に「」も必要となる。
やっと薪の登場だ 笑

「さぁ薪をどこで手に入れようか?」
なんて考えていたら、たまたま以前からお世話になっている間伐をしている方Sさんから電話が鳴った。

思えば向こうからやってくるものだ
と都合のいい解釈をしながら、早速久しぶりに会ってお話させてもらうことにした。

一通りSさんの話を聞き終えたのち、
「ところで薪って手に入りますか?」
と切り出してみる。

薪は2年寝かしてる

「もちろん薪は手に入るけど、2年寝かさないと乾燥しないので今の木を予約するかたちになるよ」
とSさんからの返事。2つ返事で予約をしながら
「その薪はどこで乾燥させるんですか?」
と尋ねると森の中だという
そのまま放置(正確にはきちんと並べて)して寝かせるのだという。

なるほど、、、と思いつつ、なんとなく湿気の多い森のイメージを思い浮かべる。
「雨が当たらない方が良いんじゃないかな?」
割った薪が外とはいえ軒の下に積まれてる光景も思い浮かぶ。

そこで私は
「雨が当たらないようにしなくてもいいんですね」
と思ったことを口にする
するとSさんは
雨がかかった方が中の水分を一緒に飛ばしてくれる
自由水はすぐに蒸発するけれど、問題は結合水。これは簡単には蒸発していかないのでむしろ水を入れた方が良い乾燥をするんですよ」
と予想外の答えに驚かされた。

なるほど、水を与えると、一見潤ったかのように思えるけれど、その実は逆で、時間の経過とともに内部の乾燥を誘発するわけだ。

水が水を捕まえて一緒に乾燥していく・・・
ん?最近聞いた話だ。

化粧水に頼りすぎると乾燥する

そう、人の肌について聞いた話と全く同じだ。
化粧水化粧水と水を足し続ける。
これ、一見潤っているようだけれど、実は乾燥を誘発する原因の一つ。

パックを長時間するなんてもってのほか。
水を吸収しやすいパックは、水分が肌に行った後、その肌の水分を吸い上げるという代物。その際にパックの水分だけならいいのだけれど、体内の水分と結合して中の水分も奪っていく。・・らしい。
毎日入念にパックでお手入れしているつもりが、乾燥肌を製造しているなんてことになりかねないのだ。

・・・と話がそれた。

水を使って乾燥させる利点

そういえば、昔は木を乾燥させるために海に沈めていた。
それほど乾燥には水が大事らしいのだ。
その原理はというと・・・
細胞の中の弁(有縁壁孔)が水の浸透圧によって開放状態に戻るため水分の移動が容易になり、樹脂などと水の交換が行われて水分が移動しやすくなるため、良好な乾燥結果を得ることができる。
らしいのだ。

しかし、この水に沈めるという行為は、単に乾燥をしやすくするためだけでは無い。

中の不純物を取り除く

そんな効果もあるのだそう。
木材を水中に沈めることにより、中にあるチリやホコリが樹液とともに外に流れ、水と入れ替わる。
木の中のゴミやチリ等の不純物が無くなることでその木が持つ本来の綺麗な肌が現れ、水と入れ替わることで辺材と心材がほぼ均等に乾燥が進み、割れや反りが発生しにくくなるようです。

不思議なのですが水中でも乾燥が進むんだそうです。

人間でもそうなのか?

で、ふと疑問に思います。細胞内の不純物・・・人間でも水を一杯入れたら不純物が入れ替わり皮膚の中もきれいになるのかな?
まぁ正直その答えはほぼNOだろう。
だって外から水を与えても、角質層は基本的に水を通さない設計になっているはずだから。

まぁ木と同じくずっと水につけ続けたらその際はどうなるか分かりませんが・・・

・・・という事で、話がまたそれそうなのでこの辺で。
本日は「火」の事から「水」を考えるきっかけになったという話でした。

今後は淡路のプロジェクトもこちらで書いていけたらなーっと思いますので、皆様お気軽にフォローやコメントまたお待ちしています!

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